あなたにしか描けない線

あなたにしか描けない線

ビビッときて、ジ~ンとしたのでシェアさせて頂きます。

2017年3月16日付 日本海新聞「潮流」より


 

小学生の頃は、絵が得意でいつも先生にほめられていたが、中学に入り「図工」が「美術」に変わるとずいぶん苦労した。
特に石膏像や静物のデッサンになじめず、絵を描くことが苦痛になってしまった。美術教師は私の絵を「絵ではなくマンガだ」と、まったく認めなかった。当然、成績も下がる。中学を卒業するまで、美術はずっと2だった。
もう何年も前になるが、ある画家の先生のスケッチに同行したとき、何げない会話の中でこの話をすると、わざわざスケッチの手を止めてこんな話をしてくれた。
「教科書や画集に載っている有名な絵画のタッチをまねることがデッサンだという思い込みは昔から多い。著名な画家の主宰する絵画教室にさえ、いまだにそういう価値観は残っている。それで絵の道をあきらめた人を何人も知っている。」
先生とは仕事を通じてはじまった付き合いだったが、デザイナーの私をある種の同業者としてかわいがってくださり、スケッチににも度々同行した。だが、それまで先生と絵について話したことは一度もなかった。デザインに必要なイラストなら描いた私だが、芸術としての絵については見る事も話すことも避けていたのだ。
何げなく始めたこんな話に手を止めてまで付き合ってくれたのは、芸術を避けていた私の心を見抜いての事だろう。先生はそういう人だった。
最後に言われたこの言葉は、忘れることができない。
「あなたにしか描けない線や、あなただけの視点を見つけることがデッサンの目的であり、それが芸術だ。そうでないと、芸術は人の心に響かない。」
この言葉に、私は二つのことで救われた。私の絵は間違っていなかった、そう思うことができた。暗いトンネルからやっと抜け出せた気分だった。中学生の自分に会えるなら、こう伝えたい。私にはこう見える、私にはこうしか描けない、を信じろ。
そしてもうひとつ。チーフデザイナーとしての立場で人を束ねようとしていた当時の私に、これから進むべき道を示してくれた。
「デザインに正解はあるのか?」デザイナーなら一度や二度はぶち当たる、それこそ正解のない疑問だ。10人のデザイナーにたずねても同じ答えは返って来ない。いくら考えても答えのない迷宮のような疑問である。
「あなたにしか描けない線を見つけろ」
先生の言葉は心が軽くなる悟りの言葉だった。それ以来、私はデザインに正解を求めない。その代わり、依頼主にしか描けない線を一緒に探している。
これはデザインに限った話ではない。自分にしか描けない線、自分にしか語れない言葉を見つけることが学びであり、仕事であり、人生なのだ。
そう気づくと、人生は途端に面白くなる。

角田デザイン事務所   角田 治
 


僕も「僕にしか描けない線、僕にしか語れない言葉」を探し続けよう。

今日はこんな感じです。最後まで読んで頂いてありがとうございました!

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